合気道の目指す自然で合理的な身体運用とは、体格差・体力差に拘らず「無理のない小さな動きで大を制する」ことを意図しています。ですから、性別、年齢、体格など、身体能力差を気にする必要は全くありません。また、力任せに相手を捩じ伏せたり、素早い打撃によって先手必勝に攻撃するなど、多くの格闘術にみられるような攻撃性とは、完全に一線を画しています。合気道が「和の武道」と言われる所以でもあります。

それぞれ全く異なる生活背景を持つ者どうしが、年齢性別、国籍に分け隔てなく道場に集い、試行錯誤を繰り返しながら互いに研鑽を積むことは、社会生活を営む上でも大いに有用であると考えます。また、昨日の自分に勝つことが目標ですから、そこには「挫折」はありませんし「引退」もありません。